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就学時前健診行ってきました!
こんにちは
新屋敷津田歯科医院、歯科医師の小堀聖子です。
いよいよ12月も半ばに突入し、師走らしさを感じるようになってきましたね。
感染症も非常に流行っておりますので、皆様ご自愛ください。
さて、先日学校歯科医を拝命している近隣小学校へ就学時前健診に行ってまいりました。
就学時前健診とは、小学校入学前の新1年生に対して行われる、健康診断です。
内科・眼科・耳鼻科・歯科など身体全般に渡って行われます。
お子さんの心身の状況を確認することで、異常や疾患のスクリーニング・早期発見・早期治療に繋げ、適正な就学を後押しすることを目的としています。
学校歯科における就学時健診の目的は、児童の現在の口腔内に異常が発生していないか、歯や口腔形態、口腔機能の発育発達が正常な段階にあるか、現在の歯や口腔で就学後の日常生活におけるQOLを保つのに支障があるかどうかなどを、歯科医学的な見地から判断する事です。
良好な成長発育のためには、食べ物をよく噛んで食べる事の重要性は計り知れません。
就学時前健診を行い、子どもたちの健康づくりのために歯や口腔の健康を図り異常や疾病の早期発見・早期予防を行う事は大きな意義を持ちます。
では、具体的にどういった項目で口腔内を診査しているかを見ていきましょう。
①う蝕(虫歯)
就学時前健診を受ける児童は、6歳前後の年齢にあたります。この頃はいわゆる6歳臼歯(第1大臼歯)が生えてきたり、下顎前歯が生え替わりを始める年です。生えてきたばかりの歯牙は磨きにくいだけでなく、弱いために虫歯になりやすい状態です。この年齢では永久歯に1本でも虫歯治療歴がある場合、う蝕多発傾向にあるとして、虫歯リスクの高い児童であると判断します。
②歯の萌出異常
歯の生える時期や順番は大体の傾向はあるものの、絶対的な決まりがある訳ではありません。おなじ月齢の児童であっても、歯の生え替わりには個人差がありますので、萌出時期はあまり問題となりません。注意すべきは、永久歯が生えてきているのに乳歯が抜けてこない場合や、抜ける時期ではない乳歯を溶かしながら永久歯が生えてきてしまっている場合です。
例えば、下顎前歯の永久歯が乳歯の裏から生えてきている場合、乳歯が動揺し抜けるのであればあまり問題ではありませんが、乳歯が抜けないようであれば歯科医師の診察が必要です。他に、第1大臼歯が生える際に手前の乳歯を吸収して生えてきてしまう場合があります。大臼歯の異所萌出といって、後々大きな歯列咬合のトラブルとなる事があり、早期の治療を必要とします。
③歯列咬合不正
就学時の年齢では、永久歯はあっても数歯しか生えてきていません。この段階で歯列が重なっていたり、明らかなスペース不足が認められる場合、今後永久歯が生えてきた時にもスペースが不足する可能性があります。
この時点で学校歯科医会が専門医による診断を必要と判断する不正咬合は以下の4つです。
・歯数異常(生まれつき歯の数が不足している状態)
それぞれ、個々の状況により対応の仕方は異なります。もし、健診で不正咬合の精査を勧められたら、早めに専門家(歯科医師)の診査を受けましょう。
学校歯科医会 見解より
https://www.nichigakushi.or.jp/news/pdf/220412_02.pdf
不正咬合のための咬合育成について(新屋敷津田歯科医院HP)
https://www.tsuda-dental.com/child_correction/
④歯周疾患
就学時頃の年齢の児童は、自分自身での歯磨きはまだ充分には出来ません。保護者による仕上げ磨きが必要な年齢です。歯磨きが適正に出来ていないと、歯茎が赤く腫れ、少し触っただけで出血する歯肉炎の状態になります。歯肉炎は口腔清掃により改善します。専門家に正しい口腔ケアの仕方を習い、健康は歯茎を養いましょう。
これらの他にも、就学時前健診では多項目にわたって診査を行っています。
昨今問題になっているのが、「口腔機能不全症」です。話す・食べる・飲み込むなど生きていく上で基本の機能が上手く発達していない子どもたちが増えており、世界中で問題とされています。これらはまだ健診だけでは細かく見ることが出来ないため、やはり定期的に歯科医院で定期検診を受ける事が必要です。
就学時健診で専門家の受診を勧められた場合は、早めに歯科医院を受診するようにしましょう。
これからの学校生活が明るく、健康的に過ごせるよう、しっかりサポートして行きます。
ご不明な点がありましたら、新屋敷津田歯科医院にいつでもご相談下さい。
学校歯科 新屋敷津田歯科医院
日本歯周病学会 認定医
日本歯科麻酔学会 認定医
MRC Certified Educator
歯科医師 小堀聖子